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上信越道を東に進むと浅間山のシルエットが見えてきた。長野と群馬の県境の長いトンネルに入ると先程の覆面に捕まった光景に被って踏み込んでいたアクセルを自然に緩めて速度を落としていた。
トンネルを抜けると薫は大きな溜息をつきながら自分の車を追い抜く数々の光の曲線を見つめていた。
長い上信越道から藤岡ジャンクションで関越道に乗り変えて埼玉に向かった。見慣れた景色と三車線に思わずアクセルに力が入ってしまうが、追い越し車線から走行車線に移り法定速度で走っていた。
再び目を疑う事が起きていた。トイレに寄ろうと嵐山パーキングに立ち寄った時に、長野自動車道でカーチェイスしたBMWと営業者の車が止まっていた。
二台の車はお互いの車両で擦りあった跡でサイドミラーは折れ曲がり、下地の色が剥き出しになっていた。薫は二台を見るとトイレに向かい入口で三人が殴り合いの光景を見かけた。
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