~蒼い神~

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車から降りて覆面パトカーの後部座席の扉に誘導する隊員の姿を見ながら吃った返事をしながら一気に両目から涙が溢れ出た。 捕まった悔しさでもなく己の浅はかな運転技術を恨む訳でもなくカーチェイスに負けた苛立ちでもない・・・大粒の涙が薫の頬を流れ顎の先端から足元に零れ落ち乾いたアスファルトに滲んだ。 免許証を手渡し無表情のまま後部座席に浅く腰掛け項垂れて頭を抱えていた。淡々と職業や年齢を聞かれ手際良く隊員が書類を作成し始め機械を操作して表示を見せた。
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