一章

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ふと目を覚ました。 「知らない天井だ……」 目の前にある土気色の天井は、今までの記憶になかった。 「お目覚めですね。タクト様」 声のした方向に首を向けると 「とても可憐なメイドのルルちゃんがいました」 「誰……」 面識のない。自分を可憐と述べ、さらにはちゃん付けで名乗る使用人姿の危ないおん「ああっ!!今失礼なこと考えているでしょ絶対!!」 妙に勘の鋭い女が立っていた。 「なん……だと……!?みたいな顔しないで否定してくださいよそこは!!」 「いや、素直に驚いただけで」 「もう~」 「おやおや」 ギィ 女が膨れっ面なのを嘲笑しようと思ったら聞き覚えのある声が聞こえた。 「タクト君、既にルル君と仲良くなってるんですね」 「ワードか……」 部屋の半開きの扉を開け、中に入ってきた男は、お馴染みの服装である白衣に身をつつんでいた。
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