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私はそっと襖を開け、憧れの巫女さん姿を初披露。
お父様は……
「流石、母さんの子だ。ハヤちゃん、すごく可愛いよ」
でも、やっぱ……ちっともうれしくないの。
だって……
「あの、お父様……私が思ってたのと全然違うんだけど」
ぶっちゃけ、途中でおかしいとは思ったよ。
でも、ずっと楽しみにしてたことだし。
私の体格に合わせたのかなぁ~っても、無理やり解釈した。
だから、最後まで着てみたの。
で……その結果が、これ。
誰がどう考えてもおかしい。
白衣(びゃくい)、袖に変な切れ込み入ってる……だけじゃない。
緋色の袴、異様に短い……ミニスカート状態。
白足袋、逆に長い……ニーソそのもの。
そして、現出する絶対領域……明らかに虚像だよね。
勘違いされた巫女さんの典型例だよね。
お父様に、そんな嗜好があるなんて……娘としては、絶対に受け入れたくない。
なにより……
「この服、ちょっとキツくて、その、胸とかなんか苦しいんだけど」
あ!
私、見栄張ったわけじゃないからね。
と、とにかく、お父様は私の問いに対してこう答えたの。
「まぁ、新しい思想に基づいて作られた最新モデルだからね。余計な部分の排除と体との一体感がコンセプトなんだ……つまり、動き易さを追求した結果だよ」
確かに、言われてみれば動き易そうな気がしないでもないんだけど……
「なんで、巫女装束に動き易さが必要なの?」
もしかして、神楽の練習用かなんかかな?
意外と運動量多そうだし。
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