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「もちろん、妖怪とか悪霊とか……魔の者と戦うためだよ」
あれ?
お父様、今、なんかおかしなこと言わなかった?
「あの、魔の者ってなに?」
「だから、妖怪とか悪霊とかのことだよ……そういうので人に悪さするのを便宜上、魔の者って総称してるんだよ」
「なにそれ? そんなんと戦うって、何系の発想? てか、そもそもいるの?」
2次元世界限定のものじゃないの?
「いるよ……いるからこそ、ハヤちゃん、やっつけようと思ったんじゃないの? 」
え?
え?
どういうこと?
「私、1回もそんなこと思った覚えないんだけど」
「ハヤちゃん、それ本気で言ってる?」
私は、うんと頷いた。
お父様は不思議そうな表情で……
「ハヤちゃん、それ本気で言ってる?」
同じことを繰り返す。
「いないんだから……やっつけるとかそういう問題のもんじゃないでしょ」
私は、はっきりと言い切った。
お父様は首を傾げたまま、しばらく……沈黙。
それから……
「でも、ハヤちゃん、いつも神様のこと大切にしてくれてるじゃない」
「そ、それは……」
私は、すぐに考えをまとめることができなかった。
「神様のこといると思ってるからこそじゃないの?」
神様も、妖怪も、悪霊もその存在が実証されているわけじゃない。
超自然的存在。
神様も、妖怪も、悪霊も同じものとして扱っちゃう概念だってある。
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