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当然、私も会ったことないんだけど……知らなかった。
お祖母様も退魔巫女さんだったってことは、ウチって代々退魔巫女さんの家系ってことなんじゃないの?
そう考えると、私だけやらないわけにはいかない気がする。
だけど……
「魔の者って、妖怪とか悪霊のことなんだよね」
「そう。妖怪とか悪霊とか……人に悪さをする化け物のことひっくるめてそう呼んでる」
人に悪さをする化け物って……アニメとか漫画とかの敵でよくでてくるやつだよね。
退魔巫女さんになったら、そういうのと戦わないとダメなんだよね。
そんなの……そんなのって……
「怖いよ」
私の心境は、この一言に集約される。
「それは、父さんも一緒だよ。父さんも、怖いよ。ハヤちゃんに退魔巫女さんみたいに危険なことして欲しくないよ。でも、ハヤちゃんがあんまりに言うもんだから……だけど、本当によかった。父さんの勘違いだったんだよね」
ほんと、そうだよ。
勘違いも甚だしいよ。
私がやりたかったの、そっちじゃないのに。
お母様、ちゃんと普通の巫女さんのお仕事もしてたじゃない。
でも、ちょっと、安心。
巫女さんなかなかやらせて貰えなかった理由わかったから。
私のこと想ってくれてた結果だったんだ。
なのに、お父様は安心していない。
不安そうに私の顔を覗き込んでいる。
その理由も、わかる。
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