第1話 念願叶う! 颯、巫女さんデビュー!?

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「ハヤちゃん、一応、確認ね……退魔巫女さんにはならないってことでいい?」 私は、怖いと言っただけ。 まだ、明確な意思表示はしていない。 怖くて、怖くて堪らない。 やりたいなんて思わない。 でも…… 「そんなのすぐに決めらんないよ」 私だけやらないのも無責任な気がするから。 「そうだよね。ごめんね。すぐにそんなこと決められるわけないよね。大事なことだもんね……じっくり考えて、ハヤちゃん自身で納得のいくほうを選ばないとね」 私は、ありがとうと大きく頷いた。 直後、襖が開いた。 少し頼りなさげだけど、それなりに整った顔立ちをした青年が立っていた。 神主さんの格好をしてるけど、袴の色がお父様とは違う。 「颯姉ぇ(はやてねぇ)、もう準備できた?」 私のことを姉呼ばわりする青年。 私は、この青年のことをよく知っている。 「翼……用事、もう済んだの?」 塩原翼。 杜乃ちゃんと話してたもう1人の総武高校新聞部部員で、同級生。 一緒に住んでて……誕生日は私のほうが早いから、弟みたいに思ってる。 だけど、本当の弟ってわけじゃない。 従弟(いとこ)なの。 お母様の妹……つまり、叔母(おば)様の子供で埼玉県の奥のほうにある大きな神社の長男。 今はお父様の下で神主さんの……たぶん、武者修行中。 その関係で今日も学校休んでたんだけど…… 「今日は意外と早かったわね」 「なに言ってるの……これからが本番だよ。颯姉ぇも一緒に行くんでしょ?」 もちろん、なんのことかわからない。
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