第1話 念願叶う! 颯、巫女さんデビュー!?

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★ 授業は終わった。 私は大急ぎで掃除当番を済ませ、教室を立ち去ろうとする。 だけど…… 「あ……名古屋県民」 目の前には羨ましいぐらいに膨らんだブレザー。 見上げると焦げ茶色のショートヘアー。 「たぁけ、名古屋県なんかあらせんわ」 杜乃ちゃんだった。 「冗談よ。愛知県でしょ」 「笑ない冗談はやめるみゃ~」 実は私と杜乃ちゃんって、冗談とかも言い合っちゃう仲なんだよね。 「そんなことより、颯、おみゃ~さ部活サボる気やったやろ」 同じ部活だし。 千葉県立総武高校新聞部。 数少ない1年生部員なの。 だから、杜乃ちゃんが咎める気持ちもわかるんだけど…… 「言ったじゃない。今日は、私、用事あるから早く帰るって」 「そうやけど、ちょびっとぐりゃぁ~えぇやろ」 「ちょびっとって……杜乃ちゃん、いつもそう言って結局、長くなるじゃない」 ほんと、そうなの。 杜乃ちゃん、新聞の活動に執念燃やしてるから。 それが、杜乃ちゃんが新聞部期待のスーパールーキーたる由縁。 だけど…… 「ほんと、今日は勘弁して」 「大丈夫やから、今日は長くならせんて」 「ほんとぉ~?」 「ほんと、ほんと、信用してぇや」 あんまり気乗りしないけど……このまま帰っちゃうのも申し訳ないかもね。 「わかったわよ……なに?」 「おお、あんな……冬休みの特集記事の企画考えるみゃ~」 「却下」 確実に長くなるよね。
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