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ってことで……
「杜乃ちゃん、また、明日ね」
明日は全校集会と大掃除があるの。
「待つぎゃ~」
え?
「冬休みの特集記事、どんなんがええと思う?」
今までの流れ……無視!?
「早よ企画立てんと間に合わんみゃ~」
そう言って杜乃ちゃんは、ほぼ白紙のルーズリーフを広げてみせる。
こっちもこっちでちゃんとやらなきゃならない状況なことはわかる。
でも……
「ほんと、今日は勘弁してよぉ~」
ね、ね、と私は顔の前で手を合わせる。
「だぎゃん……」
杜乃ちゃんは、なかなか首を縦に振ってくれない。
「それに、今日は翼(つばさ)もいないでしょ」
「まぁ、確かにそうなんやけど」
総武高校新聞部には私と杜乃ちゃんの他に、もう1人部員がいる。
それが、塩原(しおばら)翼。
同じ1年7組で……男子。
今日は、学校休んでる。
だから……
「明日にしよ~よ。明日なら翼もいるんだからさぁ」
「ほんときゃ?」
「うん、大丈夫……風邪とかじゃないから。朝、元気そうにしてた」
「ってことは、また、用事きゃ?」
私はそうみたいと、頷いた。
「神主さん見習いも大変だみゃ~」
と、杜乃ちゃん。
「まぁ、翼も大っきな神社の長男だからね」
私は相槌を打ったけど、杜乃ちゃんは首を傾げて不思議そうな表情。
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