第一話

16/57
前へ
/175ページ
次へ
 それにしても、美しい風景ですこと。すくすくと育とうという稲の青、可憐なシロツメグサ。微かに香る土の匂い。  大柳揺れる丹塗りの橋、あの町の風景と趣は違えど、負けず劣らず美しいわ。  いつか、美篶のあの家を出てこういう場所で暮らすのも良いかもしれない、そう彼女は思った。
/175ページ

最初のコメントを投稿しよう!

370人が本棚に入れています
本棚に追加