俺と僕

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「ごちそうさま!」 二枚のトーストとサラダを雛が考えこんでいる間に食べ終え、パン!パン!と手を叩き、ソファーから立ち上がった 「ほら!雛、早く食べなよー」 食器をキッチンに運ぼうとすると洗濯かごを持った母さんが僕を見つけた様で早足で駆け寄って来た 「あら!いい感じね」 洗濯かごを下ろし僕のネクタイの歪みを直しながら言う 「今日から高校生だからね、そうだ母さん、今日の入学式の開始は10時からだからね!遅れない様に来てよ」 母さんは極度の方向音痴である、したがって約束の時間に間に合った試しがないし、授業参観に三者面談は決まって遅れる。中学校の授業参観に至っては遅れて教室に入って来たもんだから「おい!誰だよあの綺麗な人?誰のお姉ちゃんだよ」 2人の子を持つ母親には見えない若さにスタイル 僕は母さん似だと良く言われるし姉弟に間違えられる事もしばしばで
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