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友達と別れ、銀と共に歩く
その道中、私は何度も銀に聞いていた
『銀くん、ケガ…ないよね?』
銀「だから、ないってば!!もー、紗菜は心配性なんだから…」
『だって相手は中学生だったんだよ!?今回は大丈夫だったけど、もし次銀くんに何かあったら私…』
銀「…はぁ…お前って馬鹿?」
『Σちょっ、ええっ?!馬鹿って何よ!私は銀くんのことを…!!』
心配して…って言おうとしたら、銀はいきなり私を抱きしめた
突然のことでビックリした私に、銀はため息をつきながら言った
銀「んとに…俺が年上なんかに負けるわけがねぇだろ?それに、俺が負けたら誰がお前を守るんだよ」
『でもっ…私…もう銀くんにケガしてほしくない…それに…守られるだけは嫌…』
銀「…なら、約束しようぜ」
『やく…そく…?』
銀「うん、約束」
銀は私の肩を押して体から離すと、肩を掴んだまま私の目をまっすぐに見据えて言った
銀「俺はお前が強くなるまで、俺が側にいなくても大丈夫になるまで、俺がお前を守る」
『じゃっじゃあ私…絶対強くなる!!銀が、いなくても大丈夫なように…銀が一緒にいても、大丈夫なように…』
銀「ん、じゃあ約束のゆびきり…な?」
『…うんっ!!』
肩から手を離し、お互いに小指を絡めてゆびきりをした
この約束を、私はずっと忘れなかった
この約束が、銀と私の絆を繋ぐものだから
あれから、私は強くなろうと必死になった
銀がいなくても、大丈夫なように…
強く生きられるように…
中学生になっても、友達以上恋人未満のような関係は続いた
学校でも近所にいても必要な時以外は一緒にいなかった
だから、ずっと、いまみたいな関係でいられると思ってた
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