いつまでも続くと思ってた

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  だけど… 『…銀、いま、なんて』 銀「…好きな人が出来たって、言ったんだ」 ある日、学校で珍しく銀から相談にのってくれと言われ、部活が休みだった銀との授業後の帰り道に話を聞いた その話に、私はとっさに動けなくなった 好きな、人…?銀に…? 『…どんな、人?』 銀「…部活の先輩。先輩なんだけどさ、なんか、お前みたいでほっとけなくて……」 『そう…銀は、告白…するの?』 銀「告白………したいよ」 『……』 銀「でも、勇気が出ないんだ…先輩、誰にでも優しく接してくるから人気高くて…どうしたらいいと思う?」 照れたように言う銀の表情に、私の胸は締め付けられたように痛くなった 銀が私にそんな表情を見せたことがなかったから 『…』 銀「紗菜…?」 『あ、ごめん!!……ちょっと用事、思い出したから…先、帰るね!!じゃ!!』 銀「Σあっ、おいっ!!」 私は走った 銀の声が聞こえた気がしたけど、気にせずに走った …いたくなかった あんな表情で先輩を想う銀の側に、いたくなかった カチャカチャ ガチャンッ 祖母「あら紗菜ちゃん、おかえり」 『おばあちゃん…ただいま…』 祖母「おやおや…紗菜ちゃん、嫌な事でもあったのかい?涙で頬が濡れとるよ」 『!!…うぅん、なんでもないよ…』 祖母「そうかい?何かあったら言うんだよ?」 『ありがとう、おばあちゃん…』 おばあちゃんと別れ、私は部屋に戻った 制服を脱ぎながら考えるのはやはり銀の事ばかりで あの表情を思い浮かべるだけで、私の胸は張り裂けそうだった 『…銀…………はは…そっか…』 そこで、気付いた ようやく、気付いた やっと、気付けた 私は、銀が好きなんだ…  
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