ヤンデレな妹

日常

よし、後はこれを食わせるだけか。
そんなとき家の電話が鳴った。
これが鳴るのはよっぽどだ。

基本的なのは全て俺の携帯にかかるようにしてあるし、親戚関係も全てシャットアウトしているから絶対に電話が鳴るような事はない。

この時点で考えられるのはセールスの勧誘ぐらいか。
それとも学校か。
その辺なら問題ない、俺が取っても彩花がとっても。

「もしもし」

「もしもし、携帯の方にかけさせて貰いましたが、お出に鳴られなかったのでこちらに御電話させていただきました、藤代様でよろしいでしょうか？」

「もしかして墓石の？」

「はい、場所等具体的な……」

「あの、この前言いましたよね、家には絶対にかけないでくれって。あんた日本語通じないのか？それとも嫌がらせか？お宅はこちらの言い分も聞かずにただ話を進めたいだけなのか？」

少しビックリしているようだが、平謝りされた。
大人げないと思いつつも、もしこれが彩花が対応していたら……そう思うと怒りを隠せない。

白紙に……と口にするか迷ったが、さすがにそれ常軌を逸している。
具体的な場所も墓石も決まっている。
今更取りやめてまた一からでは……ふぅ、一息ついて明日改めて電話する、そういって強引に打ち切った。

謝られたところでなにも感じないし配慮がかけていた、そう相手に思わせたから次はないだろう。

大丈夫だ、俺は平気だ。
話が進むにつれ思い出したくもない記憶が蘇る。

こんな思いを彩花にさせるわけにはいかない。
アイツは何だかんだで弱い。