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学校から帰宅すると、俺はすぐに買い物した物を冷蔵庫にいれる。
そして夕食の準備に取り掛かる。
一般的な高校生ならこうはいかない。
きっと授業が終わってから部活とか塾とかバイトに精を出すだろう。
まあそこまで家に縛られているわけではなく、遊びだっていったりもする。
もともと家に居るのが好きなのかもな、俺は。
「兄さん、手伝いますよ?」
「いや今日は俺が当番なんだからゆっくりしてろ」
彼女、藤代彩花はなにを思ったか俺が脱いで、椅子に置いたブレザーを手にした。
「自分でかけるからいいよ、やらなくて」
「え?私はただこれを嗅ぎながらゆっくりして癒されようかと」
顔が紅くなっていて照れているようだ。
兄である俺にそんなことをアピールしてどうするんだ。
こんな感じなのだろうか、妹というのは……身内びいきを抜きにして可愛いと思える。
顔は小さく、胸だってある程度存在して髪だって俺が好きなロングヘアーだ。
そうだ、この家の問題といえば彩花だ。
両親は親父の単身赴任で母さんが着いていったから今現在、この家には二人しかいない。
もう二年ぐらいになるのか、月に一回は連絡してくるが、帰ってくる気はまだまだないらしい。
育児も一段落して夫婦生活を満喫したい気持ちがわからないわけでもない。
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