エピソード2

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「つまり、私は妹で家族だからそういうエッチなこととかはできないし恋愛対象にならないってことですか?」 「よし、まずは持っている包丁を床に置こうか、話はそれからだ」 強引に奪い取るとお互い怪我しそうだし言葉で促すが刃先を首に当てる動作をしたらもう口聞かないって言ったら危なくない感じに腹を刺そうとしてるから一応セーフ。 なんとか言葉で歩み寄ろうとしたのだが、お互い意見があるから全く噛み合わない。 夢では監禁拉致に近い状況でパニックになっていたし目の前で最後の家族が自殺しようとするっていう状況だったからいまはだいぶマシ。 「私の本来の姿を見せてしまった、つまりこれは取り返しがつきません。兄さんがズルをしてそれを引き出してきました、私が長年温めてきた兄さんが大学卒業までに私と結婚するっていうルートを完全に潰してしまい今更猫をかぶってももう遅いです。ここで決める以外あり得ません」 「おけ、こういうのはどうだ?今日のことは無かったことにして普通に兄妹として‥‥‥」 「無かったことになる1日なら早く妊娠させてください、今日だけセーフなんですよね?」 ぎゃーぎゃー言っている彩花はなんだか懐かしい。 普段から聞き慣れていたような錯覚に陥る。 とりあえず両親が帰ってきたらまた引き伸ばせるだろうか。 俺が少し冷静なのはやはりこんな状況を味わったことがある近視感が強いからだ。 ただ両親がいたというのも大きい。 大人がいるいないではたかがはずれるとかそういうこともおきにくい。 「だいたい父さんと母さんが驚くだろ」 「両親を説得できればいいってことですか?」 「いやそういう問題でもないけど‥‥‥泣くなよ、それは反則だろ」 「だって兄さんがぁぁぁ、私に死ねっていってぇぇ」 いつ俺が妹に死ねって行ったんだ、強すぎるぞ。 こんな調子でいくのか、これから。
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