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俺が甘やかしたせいか、そう思わなくもないが普通の兄妹をしてきたつもりだ。
まさか、俺が格好良すぎるせいなのか。
罪作りなイケメンか……だったら何故俺は彼女いない歴=年齢なんだ。
泣きそうになったのは切っていた玉ねぎが目にしみたからだ、そうに違いない。
段取りを終えると俺は、ソファーで寝転がりながらブレザーをすぅーはぁーする彩花に視線を向けた。
「兄さん、私は妹ですよ。こんな、いきなり……」
頭が痛くなってくる。
彩花は完全に妄想世界に入っていて話しかけることすらしたくない。
というか彼女の中の俺はいったいどんな奴なのか少し気になるが。
「彩花、夕食できるまで時間かかるから先に風呂に入ってこいよ」
「兄さんが入った後に入るんで大丈夫です」
まずなにが大丈夫なのかわからない。
普通なら一番風呂に入りたいはずだ。
誰かが入ったあとはやっぱり垢とか浮いてたりするはずだし。
「後、何度も言うが頼むから学校で俺がシスコンだと言うのを風潮するのはやめてくれ」
「私だって証拠はあるんですか?」
「それ風潮して得をする人間はお前しかいないだろ」
中学時代もそうだが俺がシスコンだということは全校生徒の大半が何故だか知っている。
藤代優騎は妹以外に興味がないとか。
「でも兄さんが私を好きなのは事実ですよね?」
「家族としてだ、あくまでも家族として。というか確かに人間というのは一人一人違うが…」
「私は私ですよ?」
よくわからなくなってきた。
会話が噛み合ってない気がする。
何千何万と中学時代からこんな会話をしてきたし意味のないことはわかっているのだが。
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