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決まった時間で目が覚める、これはもう習慣だ。
寝る時間だってほとんど固定されている。
そして唇が相変わらず濡れている。
どうやら俺は舌で唇を舐めるくせがあるみたいで毎朝だ。
少し遅れて鳴った目覚ましを止めてぐっと体を伸ばして、気持ちを落ち着かせる。
彩花の姿がないが、今日のご飯は彼女が当番だ。
もう少し寝れる、そう思ったが昨日勉強していたのを途中で終わらせたのを思いだし先に片付けることにする。
「兄さん、朝ですよ。起きてください、起きなくても起きてもキスしますよ」
「キスはしないがもう起きてる。おはよう」
「おはようございます、兄さん」
制服にエプロンか、それにこの時間に起きてるというのはかなり気合いが入っていると思う。
まだ登校するまで一時間以上空いているし。
「あんまり無理して豪勢な弁当にしなくていいからな」
「なにをいってるんですか、兄さんに愛妻弁当を作れるのは私だけです」
いやお前も作れねえよ。
何度か二親等までの家族は結婚できないと話したはずだ。
これも何百回も。
そしたら彩花は他の家の子供になるとかわけわからんことしてたいへんだったのは記憶に新しい。
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