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だがそんなハイビスカスも日の目を浴びている。お金を掛け、様々な雑誌に掲載され続け沖縄の花は? と聞けばだいたいはハイビスカスと答える程度に。
見た目が綺麗な花が推されるのは当然だが、やはり僕にはラフレシアを頭に挿しているようにしか見えないのだ。
菊は菊でも縁起が悪いのは輪菊と小菊だ、と言われても素人にはどれがどれなのか解らない。
趣味で調べたり生け花をやっていた人くらいにしかあまり知識は無いだろう、菊の展示と言われても綺麗だ、でも縁起悪いわ、みたいな感じになる。
いくら品種改良されようと、いくら綺麗だろうが、日本の仏教という立場から見ればその花々は死者の手向けにされる花なのだ。
そのくせ花言葉、という立場から見れば菊や白百合、ハイビスカスはとても綺麗な言葉が並べ立てられている。
少しでも綺麗なイメージを持たせたかったのか、日本人の感性は皆仲良しこよし。
指さしちゃ駄目よ、仲間に入れてあげましょう、だって同じ花でしょう? なんて反吐が出そうな理由に違いない。
兎にも角にも僕はハイビスカス云々を見ると信じられない気持ちでいっぱいなのだ。
内地の人が自分の家にハイビスカスを植えていた時は開いた口が塞がらなかったもので、本人からすれば美しければそれでいい、というものなのか単純に知らないのか。
無知というものは怖いと同時に羨ましいものだとその時に僕はそう感じた。
同じ人間で育ってきた環境の違いが如実に現れ、様々な県民性が入り混じる沖縄という場所で見れる人間観察のようなもの。
身の回りには理不尽が溢れている。本人が気付かないだけで色々なタブーを人は犯している。昔は今は未来は、何時だって時は流れて昔の常識が通じなくなっていく。
染み付いた感覚は抜けないのに、次々と新しいものが生まれては消えて定着していく。
その速さと言ったら対応できない人を蹴落とすものばかり、昔気質の人はもう爪弾きにされ不器用な人は自然と淘汰される。
そんな様子が如実に現れている。昔と今が入り混じる沖縄という土地。
それが、僕の大嫌いな沖縄だ。
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