プロローグ

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『あー。君の名前は星田くんだったかな』 『林田星野です』  社長は、いろんな会社をまとめているのだから、社員の名前も覚えられないのは、当たり前なのだろうけれども。  しかし、それはそれ、これはこれ。  よそはよそ、うちはうち。  三年目となると、もうそろそろ名前を覚えてもらってもいいのでは、と思うのだが。 『横山社長はああいう人なんだよ』  と、星野が配属されている先の、経理課長の成松春太が言うのだから、星野はもう名前を覚えてもらう事は半分諦めている。 「明日も仕事だー」  今日は木曜日。  明日が金曜日だから、週末をお迎えする準備は万端である。  星野は洗面台にこもって、一日の化粧を落としていた。  
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