紫陽花

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いつの間に水嵩が増したのか、足首まで水に浸かっていた。 全然大丈夫、雨靴を履いてきて良かった。 水の流れに従う様に、坂の下の学校へ向かって急いだ。 学校の門は閉まっていたが、簡単に越えることが出来た。 もう少し。心が急いた。待っていてください。 校舎の昇降口には鍵が掛かっていた。だが、1階廊下の窓の鍵が壊れて閉まらなくなっていることを彼の人に教わって知っていた。窓枠に足をかけ、難なく侵入に成功。 もうすぐです。 濡れた靴を廊下に脱ぎ捨て、階段を駆け上り、約束の教室に飛び込んだ。
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