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ホームルームで出欠をとる。
僕は本を読みながら返事をした。
「初野はまた休みか」
チラと席を見る。
主の居ないそこは存在意義をなくしたようにぽつねんとそこにいる。
クスクス
クスクス
席の後ろでギャルどもがヒソヒソ話し声。
この不協和音が僕の中でたもっている微妙なバランスを崩しかける。
本に集中する。
ーー私はヒツジの群れのなかにいる。だけど私は確実にヒツジではない。ヒツジに擬態したオオカミなのだ。彼らの世界は均整がとれている。
同じ姿同じ種類同じ空間。同じであれば争いはない。優劣がつかない。平和だ。
その場に嵐を巻き起こす危険因子が紛れているとはしらずにーー
ここまで読んで本を閉じた。
授業が始まるので、教科書を開く。
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