痛みと傷み

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痛みと傷み

傷みに媚び諂う豚と 痛みに飼い慣らされた犬と どちらに当てはまる? その差はとても大きく 心の皮膚を裂く苦痛と 心の内臓を抉る苦痛と 根本から違うが繋がる矛盾 その違いは理性を忘れ憎を知る 嬉々として騙る苦痛 饒舌な口には乗せきれず 吐き出す度に形は変わり 何時か見た物語には到底及ばない そんな豚の賢しらは愛嬌 後遺症に似た未練 『こんな程度なんて』と嘯く虚勢 繰り返す度に固執していく 何度も見た物語の魅力に取り憑かれ そんな犬の愚鈍は醜態
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