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「これって寝てるんですよね?」
”もうじき目を覚ますはずだ”
この声が合図となったのか、ドラゴンの目が弱々しく開いた。
・・・・・・・。
誰も口を開こうとせず、ただ優しく見守っている。
ドラゴンは身体全部が繋がっているのを確認しているかのように、
ゆっくりとすべての間接を動かし、すべての間接が動くことの確認が終わると、生まれたての小鹿のようになりながら、ゆっくりと腕と脚を地面に立てて、起き上がろうとしていた。
がんばれ・・・・。
新しい命の誕生にたいする感動に、目頭が熱くなってきた。
ようやく、腕と脚に力が入るようになったのか、地面にシッカリと脚を立てて起き上がった。
意識がシッカリとしてきたのか、大きな眼をぱちくりさせている姿が愛くるしい。
「ルイ、そんなに悠長に眺めていては入り口が閉じる可能性がある」
そういえば・・・っ!!
急いで入り口のある方へを向かわなければ !!
そう思って、祭壇を離れ入り口の方へと小走りで向かう。
と、その時。
”・・・待て”
騎士がこっちに向かって待てと言っている。
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