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「俺たちの要件はもう終わったので、急いで帰らないといけないのです」
”俺たちにこいつは育てられない・・・。”
「ん・・・? なぜだ ?」
ジークさんはまた祭壇の方へ戻りながら尋ねている。
”このドラゴンの子を育ててはくれないか?
我等騎士の責務はこの器を護ること、更に我等は実体を持っているわけではないから、
このまま消えるのを待つだけかもしれん。
よってここから外に出ることができない
なにより、この子がここにいても食べ物がない”
「わかった」
それだけ言うと、ジークさんはダッシュでドラゴンを抱き抱えて戻って来た。
「とりあえず、急いで戻るぞ」
「はい」
”頼んだぞ、囁かれし者達よ・・・”
全速力で通路を走っている途中、後ろから声が聞こえた気がした。
1分ほど走り続けると、入ってきた入り口が見えて、どのくらい時間が残っているのかわからないから、スピードを落とさずに入り口まで駆け抜けた。
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