恋のヘンサチ

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かたかたとリズミカルにボードを打ち、目の前のＰＣ画面と睨めっこ。

今日もきっと日が変わる前には、帰れそうにない。

ふと、窓の方へ視線を向ければ
自ずと視界に入る人物。

「おい、よそ見してる暇があるんなら早く終わらせろ」

「・・・・承知」

命令口調で言いのけたのは、私の上司。

名は、佐々木一悟（ささきいちご）。

名前は可愛らしいくせに、中身は最悪。

「あ、榎本」

「・・・・はい」

「今日、あれにしろ」

「・・・・・・はい」

頼む時も、命令口調。