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こうしてマトモに弁護する機会も与えられず、俺は裁判の日を迎えた。
「裁判長!この変質者は街中でピチピチの服装をしながら女子児童を見つめハァハァしていたそうです!おそらく、先月の女子児童誘拐未遂事件もコイツが犯人ではないかと!」
検察の言葉に傍聴人たちの間から、酷い!変質者!と心ない声があがる。昨日までニートの俺にそんなの関係あるか!!!
冤罪じゃねーか!
「えー、静粛にー。」
やたら語尾を伸ばすバッファローマンのような髪型の裁判長に全てを託すしかない。
俺は出来る限りの純粋な瞳をキラキラさせながら目線で裁判長に無実を訴えた。
「キモい。えーっと、判決言いまーす。」
やたらノリが軽いよ裁判長。髪型はバッファローマンみたいで重苦しいのに。
「“死刑じゃね?の刑”に処しますー。」
傍聴人と検察の間から歓声と拍手が巻き起こる。なんだよ、“死刑じゃね?の刑”って!
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