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俺を乗せた荷台は荒れ果てた荒野につくと、縄を着けたまま放り出され置き去りにされてしまった。
どこの世の中に初めて出会う敵が最強のドラゴンとかいう冒険小説があんだよ、バカじゃないの?
俺が荒野のど真ん中で途方に暮れていると、はるか上空からバサバサと羽ばたく音が聞こえてきた。
「む……。お前が次の生贄か、貧弱そうだが手加減はしない。全力で参られよ!」
俺んちより遥かにデカイ10mはあるであろうドラゴンが、俺を見下してそう言った。
勝てるわけねーから。
棒立ちのまま、すでにオチッコが漏れていることは内緒だ!
まずい、まともに戦ったら1秒で殺される。なにか策を考えねば……。
「いやぁ!!!やっぱドラゴンさんって凛々しいっスね!俺の地元でも最強じゃね?って超有名っスからね~!」
「む?そうだろう、ドラゴンは強いんだぞ。我はまだ幼いが、大人はこんなもんではない。」
「ええぇぇ!?こんなに強そうなアナタ様が幼いんですかぁ!?」
「そーだぞ、人間で言えば8才くらいだ」
はぁ!?8才で10mとかドラゴンキモいわぁ……。ていうか、このドラゴン意外と扱いやすいぞ。
「信じられないっスね~。ホントは立派な大人なんじゃないっスか?証拠みせてくださいよ!」
「む!失敬な!」
ヤバい!怒らせたか!?
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