エルフの都

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 鬱蒼と草木が生え、色取り取りの花が咲きほこり、岩には光る苔が赤や青、様々な色を発光する、それはまさに幻想的な景色。  城壁は無く、ただひたすら中心部にそびえ立つ巨木に圧倒される。  巨木の周りに湖はあり、それは何処まで続いているのか視認出来ない広さであった。湖は澄み切っており、湖底を泳ぐ魚が見える程美しかった。    住んでいる者は木立の間に住居を構え、静かに生活を営んでいる様子が伺える。  懐かしいそうな顔をしたネレイスは、優しく微笑む。 「ここがエルフの都じゃ。すぐに手配してそなたの目を治そう」  ありがとう、しか聞こえなかった。もっと嬉しそうにするのでは? と思っていたが、安堵からくるものなのかユーリ双瞼から一雫の光る物があった。 「泣くでない。泣き虫は嫌いじゃ」 「泣いてないよ、ネリィありがとう……」    その時ドタバタと足音を立てながら走る男がいる。  割腹の良い腹は、走る度に左右に揺れローブの様な物を羽織っていたが、どちらが前なのか分からない程特徴ある身体の男が開口一番、 「じょ、じょ、じょっ女王様! いつの間に子供をお作りになってぎゃ~す」  間髪いれずに拳が入る。 「誰が私の子と言った! 早とちりするでない」  
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