番外編2

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  冷蔵庫から野菜を取り出す。 野菜を洗って、まな板の上に。 そして、包丁を握る。 ―――いざ! トン、トン、とゆっくり野菜を切っていく。 相変わらずの超スローペース。 …でも、これでもかなりマシになった方で。 梨夏は料理が苦手らしく、作ってくれるようになった最初の頃は、嬉しい半面、見てるこっちがヒヤヒヤものだった。 口を出しすぎて、うるさい!って一蹴されたこともあったっけ。 真剣な顔がかわいくて、毎回、抱き締めたくなるんだけど… 包丁を持ってる時は洒落にならないから触らない。 でも、触りたいよなぁ~。 ふと梨夏が手を止めて、俺の方に目線を向けた。 「…吉野…見られてると緊張するからあっち行ってて?」 どうやら、野菜を切りつつも俺の視線が気になっていたらしい。 でも。 「嫌。梨夏いないとつまんないし」 「!さ、さっきみたいに雑誌読んでればいいじゃん!」 「もう読み終わった」 「うっ」 ぷぅと膨らむ頬。 この表情が好きで、ちょっと意地悪してしまうんだけど。 俺はふっと笑って、梨夏に近付く。 梨夏の手から包丁を取り、危なくない場所に置く。 「…エプロン姿って萌える。」 「!」 梨夏を後ろから抱き締める。 ふわふわしてて気持ちいい。 「ちょっと…吉野…っ。料理できないから離れてよ」 「やだ。触りたくなるような格好してる梨夏が悪い」 「ダメだって…吉野ってば!ひゃ…っ」 髪の毛を結ってアップにしているから、首筋は超無防備。 そこに口づける。 「や…っ」 「…止まんない。」 「ま、待っ…だめ…っ!…っ」 …こうやって、俺はついつい梨夏を味見してしまうのだ。 これが、日常―――だった。    
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