67人が本棚に入れています
本棚に追加
それでも二人組は、面白おかしくも、倒れてさらに無防備な人間を足蹴にし続け、最後に唾を吐き捨てると土汚れでボロボロになった人間を置いて、去って行った。
さて、そろそろその人間が一体、誰であるのかを明かすとしよう。
その人間は、どこの学校。どの教室にも必ず一人は居そうな、良い意味でも、悪い意味でも浮いている少年。
見た目暗し。愛想悪し。成績悪し。体力無しに魅力も無し。
土で汚れた黒い髪を掻きながら、情けなくも立ち上がり、痛みを堪えつつ苦笑いしか零さないこの少年。
最初のコメントを投稿しよう!