起【欠点だらけの少年】

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午前十時。 ちょうど、二時間目の授業が始まる事を告げるチャイムが校内中に鳴り響く。 僅か十分間の休憩時間に僕は、先程の二人組に無理やり連れて行かれ、あのように殴る、蹴るの暴行を受けていた。 仕方が無いね。誰も助けに来ないし、助けたって意味のない事だからね。 四月の入学式の日。僕は持ち前のこの後ろ向きな性格の御蔭で、大事な高校デビューを大きく乗り過ごしてしまった。 その為、特別な友達が出来るわけでもなく、クラスの空気に馴染めるはずもなく、ただ、ただ。暗く静かに、面白くもつまらなくもない、普通の学校生活を過ごしていた。 .
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