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シュレイド城
翌日、身支度を整えてシアノは城へやって来たのである。
巨大な白亜の城、その城に似つかわしい巨大な城門。
そこを潜ると、巨大ホールに出る。
城門で彼を出迎えた兵士がシアノを先導し、城の中へと進んでいく・・・。
どのくらい歩いただろうか・・・
白亜に統一された城内は時間の流れを錯覚させるのか、
もう1時間も歩いたかのようにもあり、10分ほどにも感じられた。
やがてたどり着いた王の間・・・
シアノの目の前にそびえるのは巨大な扉があった。
それは美しく、繊細な装飾が施されている。
その扉がゆっくりと開かれ、シアノの視界がゆっくりと開けていく。
そこは目を見張る美しい玉座の間であった。
ここまで先導してくれた兵士は恭しく頭を下げると、
「わたしが案内できるのは此処までです。さあ中へ」
そう言いつつシアノを玉座の間に通した。
促されるまま、シアノは玉座の間の中心へと歩みを進めていく
荘厳な雰囲気、その雰囲気はシアノが味わったことのない緊張感を彼に与えていく。
やがて玉座の正面に立ったシアノは、誰もいない玉座に対し膝を付くと畏まる。
玉座の左右には、黒い鎧と外套に身を包んだ騎士と、白い鎧と外套に身を包んだ騎士がいた。恐らくは王の側近、近衛騎士なのだろう。
そのうちの黒い騎士がゆっくりと口を開く
「直に王がお見えになられます。シアノ殿、しばしお待ち願いたい」
「御意にございます」
シアノは畏まったまま、頭を下げつつそう応えたのだった。
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