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最後の締め括りがなんだかそれで良いのかは、判断したくない自己紹介は終わり。
今現在、黒板に背を向けこちらを向いて笑みを見せるシャル・フロウ先生に、一体男子生徒のどれほどが魅せられたのか。少し思考する。
「みなさん、魔法と魔術の違いはなんでしょう? 答えは簡単。わたしたちに内包されている魔力を仲介、または仲介なしで使うのが魔法です。では魔術とはなにか」
シャル・フロウ先生は、そう言い回す。生徒は誰しもが知り得ていることだが、転た寝少女、もといブルー・ペグランタンは知らない。何故ならば、興味がないからだ。
一時間目の授業は魔術と魔法。それは世界的に大事なものである。それなのにレクの横にいて、転た寝している少女をみると馬鹿らしく思えた。
シャル先生の問いに手を上げた皆の中で一人だけ挙手しない不届きものは、間違いはなく、転た寝娘である。
場所もあってか、それで指名されずにすみ、アリカ・リックローが当てられた。
凛とした返事のあと、語る。みなが知るべきみなのこと。
「魔術とは体外の魔力を利用する事。つまり、空気中に存在する魔力を、シックを介して使う術です」
「はいっ、大正解です。では魔力とは?」
突然の返しに、 アリカは怯まない。知っているから、当たり前でしかない。
「この世界、ルートを満たすルート自体から発せられるものです。万物、いかなるものにもなれる、不可視の力だと言われてます」
そう、このルートに於いて、ルートが何故発しているかはわからないが、それは必要なものだ。
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