最終章

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部屋にとじこもった子供がいました。 彼は、心を閉ざしていました。 アイサレタイよ。 アイサレタイよ。 そう叫びながら、その痩せた体を抱き締めていました。 彼は部屋から出てこれません。 出てくれば自分はもっと不必要な人間と思い知らされるからそうです。 だから、今日も彼は黒いカーテンを締め切って、電気も消して昼も夜も解らない生活を送っているのです。 あいされちゃ、いけないんだよ。ぼくは。 唇を噛み締めて。 寂しげにつぶやきます。 でも、彼はアイサレタイと願っているのです。 それが叶えられることがないことを知りながら。 悲劇、でした。 彼にとっては。 でも、この物語を読んでくれてるあなた方には喜劇としてしか認識されないのではないでしょうか?
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