一羽 兎、幻想になるとの事

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† あのあと、友人たちと駄菓子屋へ行って、う○い棒やき○こ棒といったお菓子を堪能したり、公園で元気に遊ぶ子供たちを見ながら、「俺らにもああいう時代があったんだよな。」と馬鹿なことを言いながら一休みしたりと、時間を忘れて遊び(?)まわった。 気づいたときには、午後7時になっており、自然と解散の流れとなっていた。 「んじゃ、また明日、学校で。」 「ん、落ちてる食べ物拾って食べるんじゃないぞ。」 「食べなぇよ! 俺はどこの幼稚園児だ!」 ボケなのかガチなのかわからない友人の忠告(個人的にはボケであってほしい)に突っ込みをいれつつ、帰路へつく。やっぱり、あいつらと一緒に遊ぶのは楽しい。だからこそ、この満たされないものがあるのは辛い。 「こんな悩み、さっさと忘れられたら楽なんだけどな……。」 けれど、なぜか忘れたら後悔すると思っている自分も存在している。まるで自分の中に自分がふたりいるような感じだ。しかも、それを俺自身が受け入れている様な感覚もある。 「本当にままならないなぁ……。」 帰り道の途中にある橋から、この街で一番大きな川を見下ろしながらため息をつく。納得できない分、そのため息は大きく、重くなった。 「じゃあどうするの?」 「そりゃ、この悩みを解決できるなら解決したいよ。……ん?」 考え事をしていたこともあり、不意にかけられた問いに答えてしまった。その答えを聞いた人物(声的に恐らく女性)は「ふふふ……」と笑っていた。 「じゃあ、その手助けをしてあげる。」 「へ?どわっ!?」 女性がそういうと、後ろを向こうとする俺の背中にとんという音が聞こえそうなぐらい軽い力がかかる。押されたのだと気づいたときは、既に橋から落ちており、立っていた場所を確認する暇もなく俺は川へと落ちていた。
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