鍵っ子

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4人が家族で それ以上でもそれ以下でもない。 鍵っ子である生活が当たり前になっていて、 夕飯を作ることも当たり前。 当たり前なだけで、 義務的でも強制的でもない。 当てはめるなら、自主的。 でもたまに嫌になることもある。 けど、料理はやっぱり楽しい。 ぼやぼやとテレビを見ながらそんなことを考えていた。 9時になる頃にお姉ちゃんはリビングにくる。 後を追うようにお母さんは仕事部屋から出てくるし、お父さんは風呂からあがってくる。 僕は明日も決まって 誰よりも先に家に帰る。 そして、帰ってくる大切な家族にこう言うんだ。 「おかえり。」
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