部室の鍵

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「それでね?」 今日もまた部室での語らいが始まる―――。 中村 梨華は嬉しそうに顔をほころばせて言葉を続けた。 「祐輔さんがね?記念日にネックレスくれて、やっぱり大人何だなぁって、」 「羨ましいなぁ。梨華の彼氏。」 「もう大人だもんね、」 「いくつだっけ?」 ほぼ毎日 恋愛や先生への不満、面白くくだらない出来事について語るようになった私たち。 テニスの練習を終えて、部室で着替えるときに決まって、話が盛り上がる。 「香織もそう思わない?」 「え?あ、うん、羨ましいよねー」 「だよねー。」 共感の声が飛ぶ。 両親が共働きのため 入学と同じくらいに部活のことで親と揉めた。 運動部に入りたい。そう言った私。 文化部に入って、まだ小学生の弟の面倒をみてほしい親。 結局、私の意見が勝った。
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