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両親がこんなところを見たら、呆れるだろうか
悲しむだろうか
スポーツをするためにテニス部に入ったのに
今、私たちがしているのは語り。
お喋り。
恋だの何だのを語って
「あ、」
「どしたの?」
「コートに忘れ物した…。」
作り笑いを浮かべて、部室を出る。
行ってらっしゃーい
なんて声を背中で聞いてドアを閉めた。
息を長く吐いて
コートに向かって走り出した。
「はぁ、はぁ…、」
肩で息をしながらライトの光るコートを見た。
「いた…」
大勢の男子の中に
女子が1人。
自主練とやつに励んでいる。
「…。」
今更、アウェイな感じ。
誰も見てないはずなのに
痛い視線があるみたい。
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