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「飲食、猥褻、黙視させてもらった。
ここは猥褻を許す店でなけりゃ、
あんた達みたいなのを歓迎する店でも
ないんでね、バラされたくなきゃ
お引き取り願おうか」
「わ、かりました……」
出口に走りながら最後に一言。
「覚えてやがれ!!」
「フンッ、一昨日来な」
男が逃げていくと、
店は歓喜の声で賑わいを見せた。
「いや~、助かったよ。
まさか本当に追い出してくれるとはね」
男を追い出し、本日の仕事を終わらせた
店は女達だけでテーブルを囲んでいた。
みんながドレスを来ているなかで
一際目立つ和服美女がなにも口にして
いない狐牙にお酒を進める。
「お礼なんてやめてよ!!
ママがいなかったら私は燃えるゴミと
一緒に運ばれてたか、あそこでのたれ
死んでいたかもしれないんだ。
私は恩は恩で返す主義。
しかもだよ!?仕事とは言えここに
泊まってもいいんだよ!?」
一番奥の席のソファーを動かし、
大人一人ぐらいが寝られる場所に
ダイブ。
「見て、ソファーに掛け布団に枕!!
こんな幸せはないわ~」
お世辞にもフカフカとも言えぬ
掛け布団を抱き締め、はしゃぐ狐牙を
目の当たりにした人たちは
この子はどれだけ不憫な思いを
しているのか……
「何だったら、持って帰ってもいいよ」
涙に誘われた。
「本当に!?いいの!!」
ママの言葉に身を乗りだして喜び、
「その代わり、店は頼んだよ」
「お任せください!!」
敬礼して答えて目を光らせた。
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