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《 1 》
卒業まで、あと二ヶ月。
奈々緒との付き合いも、もう半年を過ぎていた。だからと言って、俺たちの関係には一歩も進展が無かった。
相変わらず、手もつなげてねえし。
そんなある日のデート中。
「ねぇ、翔悟。友だちと、卒業旅行とか行くの?」
「別に、予定は無いけど」
「どうして?」
「俺は、大学進学が決まったけど、他の奴らは浪人が決定した奴のが多いからな。それに、みんな金が無いし」
「そっか、じゃあ私とも旅行には行けない感じだね」
「えっ、今なんて言った?」
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