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「だから、私とも旅行に行けないねって」
「旅行、俺と行きたいの?」
「そりゃ、私たち付き合ってるもん。旅行に行って、二人の思い出とか作りたいなって」
「それって、日帰り? それとも、泊まりでって事か?」
「ほらっ、私は来年なったら受験勉強で忙しくなるし、旅行も行けないと思うから、泊まりだったら嬉しいけど」
「俺も、泊まりがいい」
奈々緒の突然の大胆な発言に、俺は大いに舞い上がった。けど、次の瞬間に現実に引き戻される。
金が、無い……
二年の終わりまでサッカー部に所属し、バイトなんてした事が無かった。貯金はあったけど、大学通学の為と奈々緒とのデートの為にバイクを買った。
免許取得とバイクで、貯金は無くなっていた。
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