和泉カナコ ⑥

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次に、大田ユウガと荒川エイアは睨み合った。 「……エイアがSCMを破壊したいのはわかるけど、これは僕なりの予防策だ。この人を奴隷にしておかないと、エイアや僕自身も危険な目に遭うおそれがある」 「違う。あたしが嫌なのは、あんたがまた奴隷を作ることだよ」 不意に、大田ユウガの目が穏やかになった。 「……いつも、いつでも、僕は変わらないよ、エイア」 荒川エイアはしばしの沈黙の後、こう言った。 「そんなに勝負がしたいなら、していいから。ひとつ条件をつけさせて──」 ──大田ユウガはコインパーキングに車を停め、私達はそのビルのエレベーターに入った。 実際は9階建てのビルで、2階にある美容室をはじめ、他のフロアにおいてもアロママッサージや小料理屋、歯科医のテナントが入っていた。 私達は一度9階で降りて、非常階段からビルの屋上に降り立った。 運よく、屋上へ続くドアは開けっ放しになっていた。 屋上には過去そのビルに入っていたであろう日サロの看板など、粗大ゴミが点々と放置されていた。  
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