時の女権力者

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「上さんが魅力を感じられるのは、可憐な花ではなく、竹や盆栽だと聞きました。つまり人でも、女より男に魅力を感じなさるのでっしゃろ。よう分かりました」  孝子の言葉にその場がどよめいた。以前から流れている家光の男色疑惑を、妻である御台所までがはっきりと囗にしたのは、異例の事であった。  春日局の顔に一瞬動揺が見えたのを、孝子は見逃さなかった。
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