プロローグ

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小さな頃から憧れていて。 彼女みたいになりたかった。 キラキラ輝く彼女を見て。 あたしも彼女のようになれると思ってた。 人気者で可愛くて、優しい笑顔で周りの人を幸せにしてくれる…… そんな彼女に惹かれない人なんているわけがない。 『…ゴメン俺、椿さんのこと――…好きになっちゃったんだ』 その言葉を聞いては、あたしは何度…傷ついてきただろう。 彼女の『椿』の花言葉。 完璧な魅力、完全な愛、理想の恋。 その言葉のとおり、彼女はその完璧な魅力で理想の恋をして完全な愛で包まれている。 あたしには決して手に入らないもの。 彼女が羨ましかった。 彼女のように愛されたかった。 あたしも同じように幸せになりたかった。 だから…―――
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