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でも、ね。
見てしまったんだ。
茜色に染まる夕日の中。
ゆっくりと重なる二つの影。
シルエットしか見えないその姿は、信じたくないけれどよく知った彼で。
隣にいるのはあたしじゃなくて、彼女だった。
あの人は……結局あたしじゃなくて椿を選んだ。
あたしは誰にも愛されない。
彼女には絶対に勝てない。
あたしは幸せになんてなれない。
だからもう、誰も好きになんてならない。
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