現代

2/9
前へ
/116ページ
次へ
「「「ありがとうございましたっっ!!」」」 体育館に隣接されている道場では、高校生くらいの女子達の掛け声で満ちた。 円になり、礼をする彼女達を見てみると、皆袴を着ていて、右手には竹刀を持っている。 そう、此処は女子剣道部だ。 どうやら終わりの様で、一斉に多方向へ人が散らばり始めた。 そんな中、 唯「あぁっ!!疲れたぁ…」 ちぇっとブツブツと文句を言いながら、一人の女子が竹刀を振り回す。 大石唯、高校2年生。 彼女は剣道を小学校から続けており、腕前は部の中でかなりある方だ。 先輩にも一度も負けた事が無く、高校に入るまでは無敗だった。 のに……………… 唯「また、美鈴に勝てなかったぁ………っ!!!!」 唯にはただ一人、絶対に勝てない人がいる。 奈々「しょうがないって、あの美鈴相手なんだしね~」 もう一人の女子、高橋奈々の様子からすると、唯はいつも”美鈴”の事でいじけているらしい。 唯「うぅ…次は…次こそは絶対に勝つから!分かった?美鈴!」 唯は奈々に頭を撫でられながら、少し立ち直った様で… 入り口の方にいる美鈴に声をかけた。
/116ページ

最初のコメントを投稿しよう!

85人が本棚に入れています
本棚に追加