疾風（はやて）

ケース1

「主任、即死ですか？！」

「おそらく。この血液の散らばり方じゃ、ショック死に近いよ」

鈴木課長が叫ぶ。

「はい、仏さん出るよ！村上、八木と回って。憲さん、高木とお願い！」

「はいっ！」

初動捜査のペアを言い渡され、携帯に付近の住居図と、住民リストが送られてくる。

被害者の顔写真、免許証の写真を拡大したもののコピーが、配られる。

「高木、行くぞ」

「はいっ！」

不審者、物音、変わった事。セオリーどおりの質問をしながら、挙動不審な住民もリストアップしていく。