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「総員、準備はいいか」
耳につけた無線機のイヤホンからヤンの声が聞こえる。
「現在時刻21時27分。これよりハンターのブルーノ・スティ氏に先攻して頂く。他の隊員は合図まで待機。万一の場合はブルーノ氏の援護に回るよう」
やや東方の国の訛りがあるが、芯が入った言葉に自然と緊張感が走る。
そんな中、先頭に立つブルーノは見た目が不思議な格好をしていた。
人間の姿で裸の上半身にゆったりと防弾チョッキを着ており、下半身はダボダボの強化繊維ズボン。足元に至っては裸足である。
これから密輸船に突入する服装には見えないが、これがブルーノの仕事時の服装なのだ。
「さて…行きますぜ」
隣のヤンが頷くのを見てブルーノはごきり、と骨を鳴らす。
…骨の鳴る音は一度で終わらなかった。
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