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…ごきり
…ごき…
ブルーノの体から断続的に骨の鳴る音が響き続き、それにあわせて体が歪み膨らんでいく。
顔は人間のそれから口が大きく裂け、牙が生え揃う。耳は尖り頭上へ移動し黒い体毛が全身を覆い、手足には鋭い爪が伸びる。
ゆったりとしていた服もややきつく見える程ブルーノの体は一回り大きくなり、完全に人狼の姿へと戻った。
人からの変貌に隊員達の中に本能からかブルーノから僅かに距離を置く者もいた。
「じゃあ、行ってくるぜ」
言うとブルーノは軽く屈伸し、次の瞬間には天高く跳躍した。
一歩で密輸船の半分の距離まで飛び、おともなく地面に足をつけると再び飛び上がり、密輸船の運転席の屋根にあたる部分に着地した。そこなら、甲板の様子が見渡す事が出来た。
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